視覚障がい者と楽しむフリークライミング 参加者インタビュー

~障がいは特徴の一つ、いろんな人と知り合う絶好の機会~

目の見える人も見えにくい人も一緒に楽しむフリークライミングイベントに、NPO法人モンキーマジックが主催する「マンデーマジック」があります(企画の様子はこちら)。参加者にクライミングをはじめてからの変化や、参加してよかったことなどをお話ししていただきました。

 

人生の楽しみが増えていくきっかけになった
会社帰りに参加したアイボリーさん(男性・40代)。仕事は事務職。徐々に視野が狭くなる網膜色素変性症で、6年前に障害者手帳を取得しました。「子どものころ、空を飛ぶ飛行機を見ていたら目の端では見えていたものが目の中心では見ることができなかったんです。おかしいなと思ったけれど、特に気にしなかった。そのころから症状はあったんでしょうね」。


大人になるにつれて症状が進行し、今は焦点を合わせるとその中心が見えなくなり、周りのものがぼんやりとわかるくらい。「見えなくなるにつれて、職場と家の往復だけで外出することが減っていました。体も心も落ち込んでいたとき、モンキーマジックの小林さんのことをテレビで知り、行ってみようと思ったんです」。

 

アイボリーさんは山岳部に所属していた経験があり、クライミングにも興味を持ちました。「今ではレギュラーメンバーです(笑)」。もちろん、イベント後の懇親会にもレギュラー参加。「アイボリーさん、右手から3時に枝豆ね」「12時にから揚げ」と、あちこちから声がかかります。

 

障がいによって分けられないからいい   
ご夫婦で参加している方がいらっしゃったので、奥様にお話しをうかがいました。みちぴんさん(女性・50代)はムードメーカーで、いつもたくさんの人に囲まれています。「夫とは盲学校の同級生だから、長い付き合いでね。夫は全盲で、私は3センチくらいの距離なら見えるくらい。いつも二人で参加してるの」。   

 

 

モンキーマジックの良さは、見えない人と聞こえない人が交流できることだと言います。  

「見える人と交流することはあっても、聞こえない人ってなかなか会えない。ここは、障がいによって分けられないのがいいのよ」。


みちぴんさんが初めて参加したとき、壁を登っているみちぴんさんを、聞こえない人がサポートしてくれました。「『コツコツ』って音を出して、私がわかるようにここだよって教えてくれたの。うれしくて涙が出たわ」。
相手のことを思って助け合うのに、障がいのあるなしは関係ないのです。

 

いろんな人がいることを理解できる場に
モンキーマジック代表の小林幸一郎さん(40代)は、28才のときに医師から「将来失明する」と告げられました。2005年にモンキーマジックを立ち上げ、自身もパラクライミング選手権で優勝するなど、現役のフリークライマーとして活躍しています。  


「見えないことを、もっと話題にしていいんです。見えなくなったのは失恋したのと同じようなこと。タブーではないんだから、話し合えればいい」。


視覚障がいの人だけでなく、聴覚障がいの人も集まれるようにしたのは、いろんなハンデがあることを知ってほしいから。「障がいのある人もない人も集まって、互いを理解しあえる場にしたい」。

イベント後の懇親会(=飲み会)には、8割の人が参加。「これだけ盛り上がっていれば、誰が見えていて誰が見えないかなんて、関係ないですよ(笑)」


NPO法人モンキーマジック
「見えない壁だって、越えられる。」をコンセプトに、フリークライミングを通して、視覚障害者をはじめとする人々の可能性を大きく広げることを目的とし、活動しているNPO法人。2005年8月に設立。

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