家族や友人とよい関係を保つために

~海外の事例のご紹介~

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病気を診断されてから、どのように家族や友人と向き合うか―。イギリスのアンスワース夫妻の例をご紹介します。

 

20歳で退行性の視覚障害と診断されたことは、イギリス出身のダレル・アンスワースと彼の妻ステフにとって大きな衝撃でした。ダレルは現在31歳。網膜中心静脈閉塞症に続発する黄斑浮腫と診断された当時、結婚を4カ月後に控え、子どもの誕生を心待ちにし、自動車セールスマンとしてキャリアを積もうとしていました。

 

「ステフと築こうとする人生に、自分の視力低下がどう影響するかが心配でした。それでも、どのようなときも彼女は僕の支えでした。彼女なしでは今の僕はなかったでしょう。」

 

目の病気と診断された直後に、今後の人生の不確かさに対処することは難しいことです。それでも忘れてはならない重要なことは、家族や友人もきっとあなたと同じように動揺し、心配してくれているということです。

 

診断

予約と診察の際、家族に同席してもらうことは、患者さんと家族の双方にとって有益です。患者さんが必要なすべての情報を得られるように、家族は患者さん本人が専門家と話すのを助け、メモをとり、専門家に聞いておくべきさまざまな質問を一緒に思い付くことができます。

 

「診察時に語られることをすべて覚えるのはとても難しく、医学用語や診断への感情的影響を考えれば、なおさらです」とロンドンの心理学者、ジェン・ナッシュ博士は言います。「ご家族に同席してもらうことは、患者さんが一部始終を理解する助けになります。ただ、より重要なことは、同席した体験を踏まえて、これからのことをご家族と一緒にとことん語り合うことです。」

 

ダレルは次のように振り返ります。「2006年に失明した左目を摘出して以降、右目の視力が衰え始めました。僕にとってそれはつまり、自分の子どもの成長していく姿を見られなくなるということでした。ステフも同じぐらい動揺していました。それでも、僕たちは互いの気持ちを語り合い続け、そうすることでさらに近づくことができました。」     
     

ナッシュ博士はこうも述べています。「友人や家族も、自分とは違う形で診断に対処しているのです。そのことを思いやってあげてください。良い時も悪い時もあります。だからこそ、お互いに気を配ることを忘れず、落ち込んでいるときは声に出して言いましょう。みな同じ状況を共有しているのです。」

 

介護者

多くの親族は介護役を担うことになり、それ自体も困難をもたらすことでしょう。なぜなら、患者さん同様に、彼らの人生も突然方向が変わってしまうからです。変化は、患者さんと介護者のどちらにも影響し得ることを知っておくべきでしょう。

                   

「幸い、ぼくたちは似た者同士なのでうまくいっています」とダレルは言います。「お互いに気を配り、ステフが悩んでいたり、ストレスを感じていたりすれば僕が安心させるよう努めますし、またその逆もあります。最近、疾患と向き合っていくことに役立つ実用的なアドバイスをくれる地元の支援グループがあることを知りました。自分がどう感じているかを隠さないこと、それが僕たちを強くしたのです。」

 

社交性を維持する   

患者さんにとって、自分と家族に降りかかる変化に適応しようとする間、友人は二の次になってしまうこともあるかもしれません。しかし、友人も大きな支えになり得るため、交友関係に時間を割くことはとても重要です。「患者さん本人が新たな出会いを大切にするだけでなく、家族も自分の友だちと過ごす時間を持つようにしましょう」とナッシュ博士は言います。「時には互いに距離を置くことも必要です。」

 


ダレルは交友関係を大切にしています。交友関係を大切にすることは自分に自信を持たせ、より幸せでいられるような秘訣であると彼は考えています。「こうした状況に陥ったとき、だれが本当の友だちなのかがよく分かります。彼らは『調子はどう?』と聞きはしますが、これまでとまったく同じ態度で接してくれます。良い友だちとは常に、どうすれば友を笑顔にできるかを分かっているのです。」

 

治療を始めてから、ダレルの視力は回復し、現在は仕事への復帰を心待ちにしています。「ぼくの病院のチームはすばらしいですよ。本当に支えられていると感じます。それでも妻がいなければ今の僕はないし、また子どもたちの存在も大きいです。」

 

マメ知識

 

大切な人との関係をよりよいものにしたい、あるいは維持したい方を支援する団体が各地にあります。こうした地域の介護者の会に参加してみましょう。

 

・疾患が患者さんの人生に与える影響を介護者も理解できるように、患者さんは介護者といっしょに自分の目の状態について調べましょう。

・患者さんができるかぎり自立できるように、自宅内の環境をどう整えればよいかを決めましょう。

・患者さんは、介護する人にも生活があることを忘れないでください。介護者が休息し、趣味や興味のあることを続けられるようにしましょう。

・コミュニケーションを絶やさないようにしましょう。患者さんも介護者も、時にはイライラすることがあるかもしれません。よい関係を維持するためには、まずは一緒に話し合うことが、とても重要です。

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