見えにくい人がおいしく楽しく食べるための工夫<前編>

~明日からできる料理のアイデア~

見えにくい人がおいしく楽しく食べるための工夫<前編> Image

 

見えにくくなると、今まで通りに食事を楽しむことが難しくなることがあります。そこで、料理研究家の尾田衣子先生に、見えにくい人のための調理や盛り付けの工夫について聞いてみました。

 

食材と食器の色のコントラストをつける

食事は、味覚だけでなく五感すべてによって「おいしい」と感じたり「楽しい」と感じたりするもの。その中でも視覚の与える影響は87%と言われています。

 

見えにくいということは、盛り付けてある食材が認識できず、見た目のおいしさを感じにくいということになることもあります。 尾田先生は、料理を見やすくするためには、食器と食材の色の組み合わせが大事だと言います。

 

「色のコントラストがないと単色に見えてしまうので、食器は食材の反対色、補色を使うといいでしょう。たとえば、肉料理や煮物は茶色が多いので、食器は白っぽいものがいいと思います。カレーライスの場合、カレーは茶色でもご飯が白なので、淡い色の食器がおすすめです。」

 

サラダなど、緑色の料理にも白い食器がいいそうです。料理を華やかに見せようと、柄のある食器を好む人もいるかもしれませんが、「見えにくい人は、柄があると食材と見分けがつきにくいので、できれば無地の食器にしたいですね。」

 

「見える」ことがおいしさにつながる

盛り付けに関しては、昨今は写真映えがするといって立体的に盛り付けることが流行っていますが、見えにくい人のためにはおすすめできないそうです。

 

「高さを出して立体的に盛り付けるためには、食材をギュッとまとめる必要があります。そうすると、一つ一つの具材が見えず、何があるのかがわかりにくいので、できるだけ平らに、食材が一カ所に固まらないように盛り付けるといいと思います。」

 

またある調査によると、見えにくい人は色の彩度や明度の違いが識別しにくいということがわかっています。

 

「料理によっては、似た色の食材が隣り合うことがあります。そういうときは、差し色の食材を入れましょう。煮物であれば、いんげんやグリーンピースなど、煮物とは違う色・形のものを散りばめると、見た目にメリハリがつきます。」

 

見えにくい人にとっては、「見えやすい」ということもおいしさを感じる要素の一つです。見えやすさと見栄えの両立がポイントになりそうです。

 

食欲がわく五色の食材を使う

尾田先生によると、食欲増進に効果的な色があるそうです。

 

「一般的には、赤・黄・緑・黒・白の五色の食材があると食欲が増進し、献立としても鮮やかになると言われています。特にお弁当には、この五色を入れることを意識してみてください。」

 

例えば、赤ならトマトやハム、イチゴやリンゴ、黄はかぼちゃやレモン、黄パプリカ、緑はレタスやキャベツ、ピーマンなどの野菜類、黒はゴマやこんにゃく、ひじき、白はご飯や大根、カブなど。見えにくい人のためには、より見やすく、また食欲を維持するために、多色使いをしたいものです。

 

「色だけでなく、切り方でもおいしそうに見せることはできます。例えば、ミニトマトもそのままではなく半分にカットして断面を見せるようにすると、見た目にもかわいらしく楽しくなります。」

 

見えにくいからこそ見た目を工夫し、食卓を見やすく楽しくする。ちょっとしたことで気持ちも明るくなるのです。

 

後編では、料理に関する盛り付け以外の工夫についてお伝えします。

 

Kinuko Oda

 

尾田衣子(おだ きぬこ)

ル・コルドンブルー東京校で料理ディプロムを取得。その後、イタリア・フィレツェに渡り、家庭料理を学ぶ。

現在、フランス・イタリアの家庭料理をベースにしたおもてなし料理、オリーブオイルに特化した料理を中心に東京都杉並区にて料理教室「Assiette de Kinu(アシェット ド キヌ)」を主宰。外部講師を始めTV出演、雑誌・企業へのレシピ提供なども行う。

http://ryo-ri.net/

この記事をシェアする

     

この記事を評価する