見えにくい人がおいしく楽しく食べるための工夫<後編>

~明日からできる料理のアイデア~

見えにくい人がおいしく楽しく食べるための工夫<後編> Image

 

前編では、食事のおいしさを感じるための盛り付けのコツをお伝えしました。後編は、料理を五感で楽しむための演出を、料理研究家の尾田衣子先生に教えていただきます。

 

食べる直前にオリーブオイルやしぼった柑橘をかける

おいしさを感じるための工夫として視覚的なコツはもちろんありますが、嗅覚についてのコツはどうでしょうか。

 

「食欲増進という点では、香りはとても重要な要素です。私もよくやるのですが、スープやパスタ、肉料理や魚料理など、食べる直前にオリーブオイルをひと回しかけると、フレッシュな香りがたって食欲が増します」。

 

他にどんなものにかけるといいですか?と聞くと、「お味噌汁やご飯にも合いますよ」とのこと。サラダの場合は、レモンやオレンジなどの柑橘類をひとしぼりするのがおすすめだそうです。

 

料理自体の香りがもっともたつのは出来立ての瞬間。「すべてを出来立てでというのは難しいですが、献立の中に一品は出来立てで食べるものを加えたいですね。可能ならば、調理をしているときに近くにいてもらうと、調理中の香りも楽しんでもらえると思います。」

 

聴覚や触覚を活かして食べることを楽しむ

視覚、嗅覚ときたら、次は聴覚。聴覚を刺激する料理について聞いてみました。

 

「最近、咀嚼音を集めた動画サイトが人気ですよね。パリパリやボリボリなど、噛んでいる音を聞くとお腹が空くということはあるのかもしれません。レンコンや芋類といった根菜類などしっかり噛む必要のある食材を取り入れたり、仕上げに砕いたナッツを散らしたりするなど、食感の違いを楽しませるのも、工夫のひとつです。」

 

また、片手で食べられるおにぎりやサンドイッチ、ハンバーガーなどは、一度にいろいろな食材を味わえる楽しみがあります。

 

「ひとつひとつのおかずを取って食べる必要がなく、手で確認できるので食べやすいですよね。」 五感を活かすことで、食べることを楽しむことができるのですね。

 

料理や食材を確認し、食事の時間を共有する

家族や近しい人が見えにくくなった場合、一緒に食事をする際にはどんなことに気をつけたらいいでしょう。

 

「食べるときに、献立や食材の説明をしっかりすることが大事だと思います。これから食べるものが何なのか、何がどこに置いてあるのかなど、食卓全体の見取り図を説明しましょう。」

 

そして、できるだけ複数の人と食卓を囲むようにすることも欠かせないと尾田先生は言います。

 

「誰かと一緒に同じものを食べながら、料理と時間を共有することが大切なのではないでしょうか。」

 

今回、尾田先生に教えていただいたことは、明日からできることばかりです。ぜひチャレンジしてみてください。

 

Kinuko Oda

 

尾田衣子(おだ きぬこ)

ル・コルドンブルー東京校で料理ディプロムを取得。その後、イタリア・フィレツェに渡り、家庭料理を学ぶ。

現在、フランス・イタリアの家庭料理をベースにしたおもてなし料理、オリーブオイルに特化した料理を中心に東京都杉並区にて料理教室「Assiette de Kinu(アシェット ド キヌ)」を主宰。外部講師を始めTV出演、雑誌・企業へのレシピ提供なども行う。

http://ryo-ri.net/

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