よりよく見えるように“視覚の質”を改善

~QOV(Quality of Vision)を高める~

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現在の眼科診療では、“視覚の質”を高めることに力を入れています。「見える」から「よりよく見える」ことを目指す現状についてまとめました。

 

背景にあるのは技術革新

QOL(Quality of Life=生活の質)という言葉は、ずいぶん定着していることと思います。

QOVは“視覚の質”と訳し、現在はこの改善をはかる治療法が進んでいます。

眼科診療においては失明を防ぐことが第一ではありますが、さらに「よりよく見える」ことを目指すようになった背景には、手術に用いる器械の技術革新が進んだことが挙げられます。それによって手術のリスクと患者さんの負担を軽減できるようになり、罹患以前の状態に近い自然な見え方を実現できるようになったのです。

 

自然な見え方が可能になった白内障手術

QOV改善の最も顕著な例が、白内障手術です。高齢者に多い白内障は、日本で年間約100万件の手術が行われています(※1)。

白内障に関しては、「超音波水晶体乳化吸引術」という、超音波で水晶体を乳化して吸引し眼内レンズを入れる手術によって、切開する長さが短く済むようになりました。

また眼内レンズについては、着色されたものや多焦点のレンズが開発されたことで、術後の自然な見え方が可能になりました。

つまり、白内障はQOVの向上が期待できる疾患であると言えます。

緑内障 についても、手術や投薬などの失明を防ぐ手立てが増えてきたことで、QOVの向上が求められる疾患になりつつあります。

また、1000万~2000万人が悩まされているというドライアイも、QOVの向上が求められる疾患でしょう(※2)。

 

QOVと健康寿命の関係性

超高齢化社会をむかえた今、「健康寿命」をのばすことに注目が集まっています。健康で長生きするためには、QOLの充実が大事なのは言うまでもありません。

そして、QOLにはQOVが影響することも、忘れてはならないのです。

よりよく見えるということは、生活を楽しみ、生きる気力を養うことにもつながります。

現在の眼科診療は、「見える」を実現しつつ「よりよく見える」を目指しています。QOVを守るため、定期的な眼科検診を受けて日ごろから目を守ることを意識しましょう。趣味や職業などの生活状況を主治医に話して、どのような「見え方」を目指していくのかを相談しながら治療していけるといいですね。

 

 

※1 引用元:厚生労働省「第4回NDBオープンデータ」、内閣府「出生数、合計特殊出生率の推移」、内閣府 「平成29年中の道路交通事故の状況」

※2 引用元:Uchino, M. et al. Prevalence and risk factors of dry eye disease in Japan: Koumi study. Ophthalmology 118, 2361–2367 (2011)

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