緑内障を正しく知ろう<後編>

~早期発見・継続治療・希望を忘れずに~

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緑内障は、明らかな自覚症状が分かりにくい疾患です。緑内障の啓発活動にも取り組んでいる岩瀬愛子先生に、治療法や早期発見のポイントについてうかがいました。

 

自覚症状がないので定期的に検診を

白内障は目がかすむなどの見えにくさを感じますし、加齢黄斑変性であれば、物がゆがんで見えたりしますが、視野が欠ける緑内障は自覚できないことが多いのです。

「『視野』が欠けても『視力』があれば、見たいところが見えます。たとえ裸眼で見えなくても、コンタクトやメガネで視力が出れば、生活には困らない。ですが、見えていても視野が欠けていたら病気なんです」

岩瀬先生によると、「何となく見えにくい」と思っても、患者さん自身が「老眼だから」「疲れ目だから」「メガネが合わないから」と放置してしまうことが危険なのだそうです。

「気づいたら、まさかと思うくらい緑内障が進行していることもあります。安易な自己判断をせず、おかしいと思ったら眼科に行ってください。メガネやコンタクトを変えるのは、目に合わないということですよね?普段気にならないのに、なんかおかしいと思う、その時こそ、眼科に行ってほしいのです」

緑内障は、左目と右目で別々に進行するケースが多いのも特徴です。

「緑内障は、左右の眼で進行速度が違う事が多く、両目同時に進行することはほとんどありません。見える片方の目でカバーしてしまうので、より気づきにくいんですね」

40歳以上の人は、1年に1回、間を空けても最低でも5年に1回は眼科で検診を受けるようにしてください。近視のある方や家族に緑内障の方がいる場合は、必須です。過去に検診で「緑内障疑い」「視神経乳頭陥凹拡大」「高眼圧」と言われたことのある方は、その時、一度「今は緑内障ではない」と言われても、「一生緑内障にならない」と保証をされた場合以外は、定期検診は必要です。

 

治療は継続することに意義がある

緑内障が疑わしい段階では無治療の経過観察となりますが、緑内障と診断されたら具体的な治療がスタートします。

「まずは点眼薬で眼圧を下げます。眼圧が下がれば進行が止まる人もいますが、その状態をキープするために、点眼薬はさし続けます。点眼薬で不十分な場合は、もう一つの点眼薬を組み合わせるとか、複数の機能のある点眼薬に変えるなどして眼圧のコントロールをします。その後はレーザー治療をする、あるいは手術をするという形になります」

一度損傷した視神経は手術でも戻りません。緑内障の治療は眼圧を下げ、下がった状態を維持するために行うもので、その段階として点眼薬、レーザー治療、手術があります。ただし、点眼薬は手術をしたからといって不要になることはほとんどありません。ずっとさし続けると思っておいてくださ

「眼圧を下げるための飲み薬もありますが、一生飲み続けることが難しい場合が多いかと思います。他の科で使用する飲み薬や市販薬などで眼圧に影響する場合がありますので、主治医や薬剤師にお聞き下さい。」

コロナ禍で受診控えが起こっている場合もあるようですが、ただ薬をもらえばいいというものではなく、目の状態を眼科医にチェックしてもらうことが大事です。緑内障は自覚症状がないだけに、長期に受診・検査を怠るのは進行や他の病気の合併などを見落とす可能性があるので注意が必要です。

 

根拠のない不安を解消するために

他の目の疾患同様、緑内障も早期発見・早期治療が大切です。岩瀬先生は早期発見に加え、「継続治療」「希望」が重要だと話します。

「患者さんの中には、早期ではなく中期や後期の状態で病気がわかる人がいます。それでも、一番いい状態の『今』を維持すべく、一緒に治療していきましょうと伝えています」

「緑内障になった人がすべて失明するわけではない。例え早期で発見されてなくても、治療で進行を止めましょう。だから、『希望』は持っていてもらいたい。逆に、早期発見しても、『治療を継続』しなければ元も子もありません。正しい知識を持っていただきたい、根拠のない不安は必要ありません」

2008年からスタートした、緑内障を正しく知るための啓発活動「世界緑内障週間」。2021年は3月7日から13日まで、全国の公共機関や医療機関などで、緑のライトが照らされます。

「緑のライトは、『あなたの目がずっと見えていますように』という願い。主治医がついている、同じ病気の仲間がいる、周りの人が協力してくれる。そんな思いを伝えていきたいと思っています」

 

世界緑内障週間

https://www.ryokunaisho.jp/light_up/static/wgw

 

 

Iwase Profile

岩瀬愛子(いわせ あいこ)

たじみ岩瀬眼科 院長

507-0033 岐阜県多治見市本町3-101-1 クリスタルプラザ多治見4F

TEL:0572-25-1221

http://www.iwase-eye.jp/index.html


 

 

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