糖尿病は視覚を失う主要原因

糖尿病黄斑浮腫(DME)とは!?

「糖尿病黄斑浮腫」(DME)は糖尿病によく見られる合併症ですが、聞いたことのない方もいるでしょう。「DMO」と呼ぶ方もいますが、これは同じ疾患を意味します。

 

血糖値の測定、食事への注意、定期的な運動、処方薬の服用など、糖尿病に真剣に取り組むことがいかに大切かはよく知られています。また、心疾患、腎障害、創傷治癒遅延、神経障害を含む糖尿病の合併症(※1)や、糖尿病が視力に影響する場合があることについてもご存知の方が多いかもしれません。しかし、糖尿病が失明の主要原因である(※2)にもかかわらず、DMEについてはあまり知られていないのが現状です。

 

網膜症から黄斑にむくみ(浮腫)が生じて発症

 

ここで分かりやすく、目をフィルムカメラに例えてご説明します。瞳孔は目に入る光の量を調整するカメラレンズだと思ってください。網膜(眼球の後部にある非常に薄い細胞層)はフィルムの役割を果たし、網膜に結ばれた画像を脳が処理することで視覚が成立します。カメラやフィルムが損傷すると写真が正常に写らないように、眼疾患が進行すると視覚に問題が生じます。視覚を損なうような目の変化の主要原因の1つが、糖尿病なのです。

 

糖尿病の罹病期間が長いほど、網膜症になる可能性が高くなります。(※3)糖尿病網膜症では、網膜の毛細血管が膨らんで風船のようなコブができたり、閉塞したり、もろくなったりします。場合によっては、傷んだ血管から血液成分が漏れ出て黄斑にむくみ(浮腫)が生じます。    

黄斑とは、網膜の中心にある小さな部分で、細胞の集合から成り、中心視野での高精細な視覚や色の正確な識別を担っています。糖尿病黄斑浮腫(DME)とは、このような浮腫が生じた目の状態を指す医学用語です。治療しないと、最終的には失明にいたるおそれがあります。        

 

 

DMEは、糖尿病網膜症の進行にかかわりなく発症します。糖尿病網膜症にかかることで黄斑浮腫の発症リスクが高まり、糖尿病網膜症が進行するほど発症しやすくなるという報告がありますが、必ず発症するわけではありません。(※4)

 

糖尿病黄斑浮腫(DME)の症状は?

 

・早期のDME   

初期段階のDMEでは、症状が何も現れないことがあります。そのため、少なくとも年に1回、眼科医による目の詳細な検査を受けることは非常に重要です。眼科医は、瞳孔を散大させて目の内側をのぞき込むので、初期段階のDMEを発見できます。

 

・進行したDME

進行に伴ってさまざまな症状があらわれますが、いちばん多くみられるのが、かすみ目です。

 

そのほか、視力の低下、変視症、コントラスト感度低下などがあります。

 

糖尿病黄斑浮腫(DME)の治療方法は?

 

初期のDMEと診断された場合、治療方法は「様子をみる」かもしれません。血糖値や食事、運動に注意を払えば、病気の進行を遅らせることができます。DMEの治療には、外科的な治療法と薬物による治療法があります。

 

・レーザー光凝固術

網膜毛細血管にできたコブ (毛細血管瘤)や血液成分が 漏れ出ている部位にレーザー光を当てて、焼き固めることで、出血や血液成分の漏出を防ぎ、黄斑浮腫を改善させます。

 

・眼内注射

もう1つの治療方法は、ステロイド剤または抗増殖剤を、液体で満たされた眼内に直接注射することです。これらの薬剤は異常血管の増殖を抑えて血液成分の漏出を減らし、黄斑浮腫の改善を助けます。

 

できることならDMEとは一生無縁でいたいもの。食事、運動、服薬で糖尿病を最大限に管理すれば、この病気で最終的に失明するリスクは大幅に下げることができます。

 

(※1)Mayo Clinic

(※2)日本眼科学会雑誌 118: 495-501,2014

(※3)米国糖尿病学会

(※4)糖尿病黄斑浮腫ドットコム