感染防止対策をすれば外出できる<前編>

~withコロナ時代の同行援護サービスとは~

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コロナ禍において、視覚障がい者の外出事情は様変わりしています。ですが、感染防止対策をしっかりすれば、外出をあきらめる必要はありません。同行援護の事業所「otomo」を運営する鈴木貴達さんに、お話を伺いました。

 

利用者もガイドヘルパーも快適な外出を

2020年1月、日本国内で初めての新型コロナウイルス感染者が確認されてから、感染者数の推移が毎日のニュースになりました。2月末には休校要請が出され、4月7日には7都道府県を対象に緊急事態宣言が出され、16日には全国に拡大しました。

「同行援護の依頼に関して言えば、2月半ばから徐々に減り始めて、緊急事態宣言で急激に減りました。それまではコロナについての温度感もさまざまでしたが、不要不急の外出は避けましょうというアナウンスによって、皆さんの意識が高まった感じがしています」

とはいえ、食料の買い出しや通院など、生きるために必要な外出はあります。そんな依頼にこたえるべく、otomoではあらかじめガイドヘルパーの意向を確認していました。

「ヘルパーさんの中には、高齢の親御さんと同居している方や小さいお子さんを持つ方がいるので、今は休みたいという方もいましたし、公共交通機関を使わないならできるとか、それぞれのニーズと事情を聞き出しました。また大学生のなかには、授業もアルバイトもないからやりたいと積極的な方もいましたね」

リスクの感じ方やコロナへの不安は人それぞれ。利用者とガイドヘルパーが快適に出かけられるようなマッチングを心がけていたそうです。

 

同行援護の利用数は戻りつつある

同行援護の利用は緊急事態宣言によって一気に減りましたが、時間の経過とともに利用数は戻りつつあると言います。

「減ったといっても、4月の半ばで半分くらいでした。5月、6月でちょっとずつ戻ってきて、夏には7~8割くらいまで回復していました。やはり、利用者の方々にも自粛疲れがあったようです」

感染の不安はぬぐえない、でも外に出られないでいるのはストレスがたまる。それが夏くらいの時期で、散歩がしたい、買い物に行きたいというニーズが増えつつありました。そして取材をした10月の時点では9割くらい戻ってきたと言います。

「10月に入ったら、地域のサークル活動も人数を制限する形で少しずつ再開し始めたようです。会場を換気して、入り口で必ず消毒と検温をし、皆さんマスクを着用して活動するという感じですね」

完全に今まで通りではないけれど、感染予防対策をしたうえで楽しむことができる環境が戻ってきたと言えそうです。

 

 ロービジョンの方の利用も増えている

鈴木さんに、コロナ前と現在の依頼内容の違いについて聞いてみました。

「ロービジョンの方で、これまでは慣れた場所なら一人で行くことができていたけれど、スーパーなどで売り場の環境が変わっていたり、ソーシャルディスタンスを取るための表示が見えにくかったりということで、同行援護を利用するようになった方はいらっしゃいます」

加えて、買い物をするときに品物を手に取って確認するのがはばかられるということで、ガイドヘルパーと一緒に買い物に行きたいという依頼も増えてきたそうです。

「またotomoでは、コロナ前と比べると新規の利用者が増えました。高齢のガイドさんがコロナを機に引退したり、家族の反対を受けるガイドさんが辞めるなどで、事業所をたたむケースが増えたようです。そのため、9割まで戻った業績のうち、多くは外からの流入です」

事業所がなくなり、ガイドヘルパーの全体数が減っているということは、業界としての課題になりそうです。

後編では、otomoでのヘルパーを増やす試みなどについてお話を伺います。

 

鈴木貴達(すずき たかみち) otomo/リンクス株式会社 代表取締役

鈴木さん

東京都生まれ。2004年にリンクス株式会社を創業。2017年4月から、視覚障がい者のための同行援護サービスを提供するotomoをスタートさせる。ガイドヘルパーの資格取得のためのスクールや視覚障がい者向けのヨガクラスも運営。

http://otomo.care/

東京都足立区竹の塚1-40-15 庄栄ビル5F BUSINESS PORT竹の塚

TEL 03-4405-8485  FAX 03-6740-2485

受付時間 9:00〜21:00 ※年末年始・GW・お盆を除く

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