「見えない・見えにくい」を助けるスマートグラス<後編>

~メガネ型ウェアラブルデバイス5機種紹介~

 

スマートグラスの中には、視覚障がい者向けに開発されたものだけでなく、すべての方の生活を便利にというユーザビリティを意図して開発されたものもあります。

前編に続き後編では、2機種をご紹介します。

 

目で“見る”のではなく、目に“映る”「RETISSA Display」 

RETISSA Display

 

私たちは、目に入った光の情報が「角膜」「瞳孔」「水晶体」「硝子体」を通って「網膜」の上に像を結ぶことにより、「見る」ことができます。このとき、レンズの役割をしているのが「水晶体」です。

 

水晶体のピントを合わせる力が弱くなると、視力が低下したということになります。ですが「RETISSA Display(レティッサディスプレイ)」は、水晶体の機能に依らず、網膜に映像を投影するものなので、網膜が正常である限り「見る」ことができる。つまり、視力矯正することなく、またピントを合わせることなく「見る」ことが実現できるのです。

 

これを眼鏡と同じようにかけることで、眼鏡型のフレームに内蔵された超小型プロジェクタから、網膜に直接映像を投影します。スマートフォンやパソコンとつなぐことで、写真や動画などを直接ディスプレイに映し出すことができます。もちろん、読みたい本などを撮影して、文字を拡大して見ることもできます。

 

RETISSA Display

 

医療機器ではないので、視覚障がい者だけでなく、見えにくくなった高齢の方などの利用も視野に入れているとのこと。「見る」ことに不便を感じている多くの方が利用できるスマートグラスです。

  

QD LASER「RETISSA Display」 https://www.qdlaser.com/products/retissa.html

 

弱視の方の日常生活での自立を可能にする「イーサイトマイグラス」 

e-Sight My Glass

 

内蔵された高速・高精細カメラで利用者が見ているものをキャプチャし、それをレンズ部分の内側の二つの有機LEDスクリーンに表示します。つまり、眼鏡型の本機を装着することで、本機のスクリーンに、視界に収められたものが表出するのです。

 

これをモニターにつなぐと、周りの人とも見ているものを共有できるので、利用者本人の見え方を家族が確認することもできます。

 

e-Sight My Glass

 

視力は0.03以上、視野が15°以上あることが利用の条件です。操作によって色の反転も可能なので、見やすい色に変えることができます。またスクリーンに映るのは二次元なので、高さや奥行きは、大きさや色の濃淡で表します。

 

読書やパソコン作業、ミーティングやディスカッションなどに向いているので、特に仕事をしている方に人気のある製品です。 2019年5月現在、世界40数カ国で販売しており、日本では2018年から販売開始されました。 2019年の後半には、日本でも助成の対象になる予定です。

 

FQ Japan株式会社「イーサイトマイグラス」 https://fqj.co.jp/products/視覚障害者向けスマートグラス/

 

今後の開発・進化が期待されるスマートグラス

今回ご紹介した5機種の他にも、スマートグラスは各社で開発が進んでいます。今後は、機能の進化とともに、小型化・軽量化も進んでいくと思われます。高額なものも多いのですが、助成の対象となるべく働きかけているケースもありますので、これからの企業努力にも注目したいものです。

 

機能を少なく特化したものか多機能のもの、どちらがいいかは、「何のために、何をしたいか」という利用者の使用する場面や目的、個人の好みによって変わります。スマートグラスの利用を検討する際は、利用者が求める生活スタイルを軸にするといいのではないでしょうか。

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