冬の食卓を明るく楽しくする工夫<前編>

~食材の生かし方&調理のコツ~

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体が冷える冬は、メニューが煮物や鍋料理などに偏りがち。料理研究家の尾田衣子先生に、この季節ならではの見えにくい人のための調理の工夫についてお話を伺いました。

 

食材は大きくカットするとわかりやすい

寒い季節の食材といえばキノコ類や根菜。色味が似ていて、見分けるのが難しいこれらの食材は、どう使うといいのでしょうか。

「細かく切ってしまうと、具材の違いが分かりにくいですよね。ですので、大きめにカットするといいと思います。また根菜といっても、レンコンのように穴のあるものや、ブロッコリーやカリフラワーのような房のものは、見た目が特徴的なのでわかりやすいですよね。キノコもいろいろな形があるので、しめじとまいたけなど何種類か使うのがおすすめです」

煮物や炒め物で具材を大きめにカットすることには、見分けやすくなる他にもメリットがあるそうです。

「噛む力がある方であれば、しっかり噛むことは健康にもいいですし、また咀嚼する感覚や音を楽しむこともできます。小さくカットして加熱すると、栄養分が流れ出やすくなりますが、大きめのかたまりですとそれも抑えられます」

細かく切るよりも大きく切る方が調理の手間も省けますし、食べたときの満足感も得られます。食べやすさを考えて小さく切るよりも、見分けやすさを考えて大きくカットしてみましょう。

 

根菜の蒸し料理は簡単で栄養たっぷり

具材を大きくカットする料理として尾田さんが例として挙げたのは、蒸し料理。ゴロゴロとした野菜を蒸していろいろなソースをつけて食べる料理は、シンプルながら食材そのものの味を感じられます。ですが、蒸し器が必要だったりして、ちょっとハードルが高い気もします。

「蒸し器があればそれに越したことはありませんが、なくても大丈夫。電子レンジでチンするだけでいいんです。洗って大きめにカットした野菜を密閉容器に入れて、大さじ1~2くらいの水を入れて4~5分加熱すれば蒸し料理ができます」

レンジであれば火を使わないので、見えにくい方が調理するときにも危なくありません。それに、茹でるよりも蒸す方が、栄養分や旨みも逃げません。

「蒸した野菜を、オリーブオイルやタルタルソース、コチュジャンを使ったピリ辛のソースなどカラフルなソースで食べると色を楽しむこともでき、味のバリエーションもついて食卓も華やかになります」

尾田さんが旬の食材を使うことを勧めるのには理由があります。

「今はどんな食材も一年中出回っていますが、旬のものは栄養価が高い。旬のものを食べるというのは理にかなっているんです」

簡単で安全な調理法で、栄養価の高いものを、栄養を逃がさないように食べる。お好みでソースを変えるなど、見た目でも楽しんでいただけたらと思います。

 

薬味を使うと減塩効果が期待できる

尾田さんの得意分野の一つが薬味使い。薬味の料理本を出版するなど、さまざまなアレンジテクニックを持っています。

「冬におすすめしたい薬味は、せりです。もちろん三つ葉や小ネギもいいのですが、せりはちょっと苦味があって大人っぽい味がしますし、熱が入っても色がすごくきれいに出るので、見えにくい方にとっても認識しやすいと思います。煮物のような温かい料理は、どうしても茶色になりがちですよね。そこにせりを入れると、鮮やかになると同時に、香りが立ちます。生でトッピングしてもいいですし、余熱で火をいれてもおいしく食べられますよ」

春の七草でもあるせりの旬は、一般的には2~4月と言われています。寒い時期ならではの食材ですので、ぜひ味わってみましょう。

尾田さんが薬味使いをおすすめするのには、もう一つ理由がありました。

「ネギ、生姜、ミョウガ、大葉などを薬味としてよく使われると思いますが、これらは単体で味と香りがしっかりしています。ということは、料理に濃い味付けをしなくても、薬味で味を補い、減塩することができる。糖尿病などで塩分を気にされている方は、薬味を使うといいと思います」

後編では、鍋料理やスープ料理の工夫について紹介します。

 

 尾田衣子

尾田衣子(おだ きぬこ)

ル・コルドンブルー東京校で料理ディプロムを取得。その後、イタリア・フィレツェに渡り、家庭料理を学ぶ。

現在、フランス・イタリアの家庭料理をベースにしたおもてなし料理、オリーブオイルに特化した料理を中心に東京都杉並区にて料理教室「Assiette de Kinu(アシェット ド キヌ)」を主宰。外部講師を始めTV出演、雑誌・企業へのレシピ提供なども行う。

http://ryo-ri.net/

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