冬の食卓を明るく楽しくする工夫<後編>

~食材の生かし方&調理のコツ~

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後編は、冬の定番メニュー・鍋料理やスープ料理について、見えにくい方のためにどんな工夫ができるか、料理研究家の尾田衣子先生にお話を伺いました。

 

鍋料理の具材はコーナー化すると見やすい

冬の食卓に欠かせない鍋料理。さまざまな具材を食べることができ、またスープのバリエーションもあって、何通りも楽しむことができます。ただ、見えにくい方にとっては、鍋の中にある具材を見分けるのが難しいという側面もあります。

「最近の料理雑誌などで流行っているのは、鍋全体に具材を散らばせて盛り付けるという方法です。その方が、真上から写真を撮ったときにきれいに見えるからなんですね。ですが見えにくい方のためには、昔ながらの盛り付け方、つまり肉はここ、白菜はここ、豆腐はここ、と具材ごとにコーナーを分けて盛る方がいいと思います」

隣り合う具材をどう並べるかも、見えやすさに関わってきます。

「濃い色と薄い色を隣り合わせにしましょう。豆腐の横にしいたけ、白滝の横にはにんじんといったように、色の濃いものと薄いものを交互に並べると、わかりやすいですよね」

コロナ禍においては外食での鍋料理は敬遠されますが、家庭では具材を取る箸と食べる箸を分けるなど注意するといいでしょう。

 

冬に旬を迎える柑橘で嗅覚においしい刺激を

冷えた体を温めてくれるスープについては、食べる直前に柑橘類をしぼるといいそうです。

「さわやかな香りがたって嗅覚を刺激してくれますし、温かいとより香りも強く感じられます。柑橘は冷たい飲み物と合わせる印象があるかもしれませんが、温かいものにも合うんです」

意外なことに、柑橘は冬に旬を迎えるものが多いとのこと。

「夏のイメージが強いかもしれませんが、みかんをはじめ、ポンカンやハッサクなど、国産の柑橘類は冬が旬のものが多いんです。レモンも、国産のものは秋から冬です」

尾田さんが教えてくれた柑橘を使ったメニューが「みかん鍋」。山口県の周防大島では「周防大島みかん鍋」という郷土料理があるそうです。

「皮をきれいに洗って、みかんを丸ごと鍋に入れる料理です。国産なら、皮ごと使っても安心です。わたしも初めて知ったときはそのビジュアルにも驚きましたが、醤油ベースのスープですと、みかんと合わさってポン酢のような味わいで、おいしいんです。みかんは輪切りにして浮かべてもかわいいですよ」

変わり種の鍋料理として、家庭でやってみるといいかもしれません。

 

小鉢使いで取り分け料理を華やかに

最後に、コロナ禍ではあらかじめ料理を取り分けることを推奨されていますが、家庭での取り分けや盛り付けについて聞きました。

「大皿がNGとなると、洗い物が増えるのが大変ですよね。ですが、それなら思い切って小鉢料理を楽しもう!と気持ちを切り替えるといいと思います。それぞれに小鉢料理が何種類もあると食卓が賑やかになりますし、品数が多くなって豪華な感じがします。また、ひとつひとつの料理が小鉢に分けられていると、見えにくい方への説明もしやすいですし、中身がわかるので取り間違えを避けることもできます。食器も、洋風のものを集めればオシャレなカフェ風になりますし、和風のものでしたら小料理屋さんみたいになりますよね」

盛り付けを工夫することで、食べる楽しみを増やすこともできます。また、見えやすければ、食事のストレスを軽減することもできます。

みんなで囲む冬の食卓を楽しむ工夫に挑戦してみてください。

 

 尾田衣子

 尾田衣子(おだ きぬこ)

ル・コルドンブルー東京校で料理ディプロムを取得。その後、イタリア・フィレツェに渡り、家庭料理を学ぶ。

現在、フランス・イタリアの家庭料理をベースにしたおもてなし料理、オリーブオイルに特化した料理を中心に東京都杉並区にて料理教室「Assiette de Kinu(アシェット ド キヌ)」を主宰。外部講師を始めTV出演、雑誌・企業へのレシピ提供なども行う。

http://ryo-ri.net/

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